専有部の配管工事を行うきっかけは?
水道トラブル
専有部の配管工事の最も一般的なきっかけは、漏水などの事故や不具合です。昨日までは問題なく使えていた水道が突然詰まったり、下の階から水漏れのクレームが入ることもあります。
漏水事故の場合、緊急対応が求められるため、複数の業者から工事提案や見積もりを取る時間がありません。その結果、緊急対応のため費用が「割高」になる傾向があります。
マンション全体の定期点検に加え、各部屋で「水の流れの異常」や「異臭」「異音」などの兆候が現れた場合は、トラブルを防ぐためにも早めの点検をおすすめします。
リフォーム
もうひとつの工事のきっかけは、専有部のリフォームです。
お風呂をユニットバスに交換したり、キッチンを最新モデルに買い替える際には、必ず水道工事が発生します。リフォームの計画を立てる際には、水道工事も一緒に考慮することが重要です。
これらの工事は、専有部の機能性を向上させるだけでなく、快適な住環境を維持するためにも重要です。早期の対策と計画的なリフォームを通じて、安心して暮らせるマンション生活を実現しましょう。
マンション専有部の水道設備は簡単に工事できないって本当?
マンションの水道設備は、その設計や構造により専有部の配管工事の難易度が大きく異なります。
マンションによっては、工事の際に上下階の部屋にもアクセスする必要がある場合があり、その場合、コストが大幅に増加することがあります。特に古いマンションや複雑な構造の建物では、このようなケースが多く見られます。
したがって、まずは自分の住んでいるマンションの水道設備がどのようになっているのかを確認することが重要です。これには専門業者の助けを借りることが推奨されます。業者による事前調査や診断を受けることで、工事の必要性やコスト、工期についての具体的な情報を得ることができます。
自分の部屋の水道設備の状況を把握することで、突然のトラブル時にも冷静に対応でき、必要な工事を計画的に進めることが可能になります。
専有部配管工事における確認事項は?
専有部の水道設備
❶各住戸の排水管(縦管)の本数
・部屋のレイアウトやマンション全体の設計に関わりますが、マンションによって縦管の本数は1本から複数本までさまざまです。この本数により費用が大きく変わります。
❷横引き管が通っている場所
・横引き管の配置は専有部水道工事の大きな問題のひとつです。上下階を区切るコンクリートの壁(スラブ)と床の間に配管されている場合は、自分の部屋内で工事が完結します。一方、スラブを突き抜けて下の階の天井上に設置されている場合、下の階の部屋に入り工事をする必要があり、住人との調整が必要となります。
❸配管の状態
・配管がコンクリートに埋まっている場合、そのコンクリートを破壊してから工事を行うため、大掛かりな工事となり、騒音問題も発生します。
❹設備更新の仕様
・更新する配管の材質や、新設する配管を壁内に隠すかどうかで費用が変わります。また、リフォームする住宅設備や仕上げのグレードにより費用も大きく変わります。さらに、マンションの間取りや配管の仕様によって設置できない機器もあるため注意が必要です。
❺その他
・現状の壁にアスベストが使用されているかどうかは、工事内容や費用に大きく影響します。専門家の助言が必要です。
共有部の水道設備
❶パイプシャフトの内部にスペースはあるか
・パイプシャフト内のスペースが狭い場合、作業効率が低下し、納期やコストに影響を与えます。
❷設備更新の仕様
・専有部と同様に、更新する配管を露出型にするか埋没型にするかで費用が変わります。
❸給湯器の場所
・給湯器の設置場所によって工事内容と費用が変わります。給湯器がベランダにある場合、配管の引き回し工事や材料費が多くかかり、コストが上がるケースが多いです。
❹排水管の主管(横引き管)が設置されている場所
・1階スラブ下のピット内に設置されている場合はピット内での工事で済みますが、敷地外の地下に埋没されている場合、大掛かりな土木工事が必要となり、工事規模や費用、納期が大きく変わります。
以上の確認事項を押さえることで、専有部配管工事の計画を立てやすくなり、予期せぬトラブルを防ぐことができます。